2015年02月12日 [診療室より]
ちょうどよい塩梅
20年来お付き合いしている患者さんと先日お話していた時のこと・・・
ご両親ともご健在で、身の周りのことはお二方ともご自分できちんとなさるそうですが、
80歳を超えると、さすがに身体的な衰えを感じるようになってこられたとのことでした。
「人って、今まで出来てたことが同じようにできないと、落ち込みやすくなるのよね。
だから最近母には、料理の最後に味見してもらってるの。この味どうかしら?って。
そしたら、パパッと調味料を足して満足げにこう言うのよ。
【やっぱりアタシがいないとダメなのね!】って!!
ホントはわざと味を薄くして、調理する余地を残してるんだけどネ(^^)v
・・・まだまだ口も手も出させてあげないと元気なくなっちゃうでしょ。」
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実家の両親は前期高齢者で元気にしており、介護をするという現実感がまだ私にはありません。
ですが、この方のご家族との関わり方:歩みを通して、私も成長してきた感があります。
いわば患者さんを通して疑似体験させていただいているといってもいいでしょう。
いろいろな患者さんとの出会いは、私の引き出しにそっとしまわれて、いつか役立つに違いありません。