2018年02月13日 [噛み合わせ 富山]
「それって、本当に歯周病?」
患者さん:「歯周病だと思います。以前歯ぐきが腫れたので・・・。
或る先生に【抜歯して入れ歯】と言われました。
いま両側とも噛めないので、入れ歯だったらと思って先生のところに来ました。」
院長:「歯周病で、どの歯を抜歯すると言われたのですか?」
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これは、先日ご来院になった初診患者さんとの「やりとり」の一部ですが、
皆さんは「歯周病」についてどんなイメージを持たれていますか?
一般的な通り名は、歯槽膿漏(シソーノーロー)。
歯ぐきがブヨブヨ・歯がグラグラ・歯ぐきから血がドバーッ!でしょうか?
歯周病とは、お口の中の細菌感染によって、
歯を支える周りの組織(歯ぐきや歯槽骨など)に炎症が起きる病気を言います。
気がつかないまま進行することが多いので、
重度になると歯を支える骨(歯槽骨)が破壊され、歯が抜け落ちてしまいます。
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この患者さんの歯ぐきが腫れたとされる部位には、歯の動揺はみられませんでした。
歯ぐきからの出血が多少みられたものの、即抜歯と思われるような重度の歯周病でもありませんでした。
それでは何が原因で、不快な症状(歯ぐきが腫れる)が現れたのでしょうか?
結果は、「咬み合わせ」が原因でした。
◆「全く噛んでいない」被せ物が、両側奥歯に装着されていたのです。
<噛んでいないのに、どうして腫れるのか?>
上下の接触が全く無く空いている・・・それでも人はなんとかして噛もうとします。
つまり、本来接触すべきではない所で当たっていて、
無意識のうちに顎をずらして食べているのです。
この場合、異常な負荷が歯に掛かり、歯の周囲の組織が炎症を起こしたと考えられました。
この方には、本来の位置で噛めるような「咬み合わせ」面を有した被せ物が必要だったのです。
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歯ぐきが腫れるといった現象には様々な要因が考えられます。
原因を突き詰めるには、色々なデータから総合的な判断を必要とします。
当院では初めて受診される方には、ご相談を含め約4時間の時間を設け、様々な検査をしております。
多角的な見地から問題点を探り、今後の治療のご提案をするためです。
「それって、本当に歯周病?」
無用な処置をせずに済んだ患者さんは、にこやかにお帰りになれらました。
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